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仲人とは?必要・不要?!仲人の基礎知識全般

仲人とは?

仲人というのは文字通り、「結婚の仲立ちをする人」という意味です。結婚する新郎新婦ふたりの仲を取り持つということに加えて、新郎新婦それぞれの実家同士の関係を取り持つ、という役割も持っています。
結婚そのものに関して言えば、結婚の立会人、証人ともなる立場にあたります。縁談の準備や進行、婚約後に行う結納を取り仕切ったり、挙式や披露宴で新郎新婦の紹介を担当したりと、表に出る仕事だけでもたくさんの役割があります。また、新郎新婦の人生の先輩として、結婚準備に関する相談に乗る立場も兼ねています。
実は、結婚後も新郎新婦と仲人の関係はずっと続きます。後見人という立場で、これから夫婦、家族になっていくふたりを支えていくことになるのです。

結婚における仲人という役割の歴史をさかのぼってみると、歴史上初めてそれらしい話が文献に登場するのは5世紀初頭、古墳時代頃です。古事記と日本書紀にそれぞれ、結婚の仲立ちに関する記載があるのです。
古くは縁結びの神様の名前を組み合わせた「月下氷人」という別名で呼ばれることもあった仲人。神様の名前から取られるほど重要な役割であるということがよくわかります。このように結婚によって男女の縁を結ぶ仲人は、それだけ栄誉あるものとして、長年結婚には欠かせない存在として扱われてきたのです。
実際に、大正時代までは仲人のいない結婚式など決してありえないものだったといいます。その後も仲人は結婚に際してはごく当たり前の存在で、現在のように仲人がいない結婚式が一般的になったのは昭和の後期から。仲人なしというスタイルの結婚式が普及したのはごく最近のことなんですね。

仲人は立てるべき?

古くから結婚式には欠かせない存在であった仲人。しかし近年では、結婚に際して誰かに仲人を依頼することはほとんどなくなりました。実際に、仲人を立てるカップルは、結婚するカップル全体の1%にも満たないほど少ないといいます。
その理由としては、以前のように形式ばったお堅い結婚式が避けられるようになった、ということが挙げられます。恋愛結婚が一般的になり、よりカジュアルな結婚式で済ませるカップルが増えてきたのです。
そもそも現在は神前式よりもチャペルでの挙式が多いですし、ガーデンウェディングをはじめ外国風の結婚式を選ぶカップルも増えています。仲人がいる結婚式には、こうしたウェディングスタイルはそぐわないというのが実情のようです。
また、以前の日本のような終身雇用制度がほぼなくなり、結婚をする上で会社の上役の顔を立てる、なんてことが必要なくなったことも仲人がいなくなった理由のひとつ。経済的・社会的な変化も、仲人が減った現在の結婚式の背景にあるんですね。

とはいえどんな結婚式が一般的か、というのは地方によっても異なります。古くからのしきたりを大切にしているような地域や家系では、今も仲人をきちんと選ぶのが当たり前、というところも。結婚後の親戚付き合いにも深く関わる部分ですので、新郎新婦の意向に加えてそれぞれの両親や親戚にも事前に相談しておくようにしましょう。

仲人の種類は?世話人・媒酌人との違い

仲人とひとくちに言っても、実は実際に担う役割によってふたつの種類に分かれています。
今現在、一般的なのは「頼まれ仲人」と呼ばれるものです。
仲人といえば、古くは男女が知り合うきっかけを作るところから夫婦に関わり、縁談そのものから結婚式、披露宴と、新郎新婦のみならず両家の仲を取り持ちまとめるという役割を担ってきました。しかし現在は一般的に恋愛結婚のほうが多く、男女の仲を取り持ったり、縁談をまとめたりする必要はほとんどありません。仲人のこなす役割として、今も求められているのは挙式や披露宴に参加し、ふたりの結婚式を見届ける立会人としての立場です。そのために挙式・結婚式の場だけ依頼されるタイプの仲人を、「頼まれ仲人」と呼びます。
これに対し、古くから続いてきた本来のスタイルの仲人は、「引き合わせ仲人」と呼ばれます。ふたりの縁談をまとめ、婚約から結納、挙式に披露宴と結婚式までのほとんど全ての段階に関わってくるタイプの仲人です。お見合い結婚であれば、お見合いをセッティングし、新郎新婦となるふたりを引き合わせた人が仲人も務めることが多いです。
といっても、以前のように結婚に関するあらゆることの相談役としての仲人という立場は、今はほとんどなくなっているのが現状です。お見合いから関わっていたとしても、新郎新婦それぞれの実家のしきたりや意見などをすり合わせ、調整役としてあれこれ世話をするような仲人は今はほとんどいません。引き合わせ仲人にしても、全体の見届け人というようなニュアンスが強いようです。

また仲人と似た言葉として、「世話人」「媒酌人」というものがあります。
世話人や媒酌人は、実質仲人と同じ役割の人を指す言葉です。仲人は男女が知り合ってから結婚式までのさまざまな段階であらゆる場面で関わることになりますが、その中で、縁談やお見合いなど男女を引き合わせる場では「世話人」、婚約や結納といった新郎新婦両家の縁を結ぶ場面では「仲人」、挙式や披露宴当日には「媒酌人」と、それぞれのシーンで呼び方が変わっていくのです。
現在は仲人の担う役割が限定的になっていることもあり、媒酌人と仲人はほとんど同じ意味で使われています。また世話人、仲人、媒酌人をそれぞれ別な人に頼むこともできますが、家柄を重んじる結婚式では媒酌人はとりわけ地位の高い方に頼むというのが主流です。

仲人のメリット・デメリットとは?

仲人を立てるメリット

仲人を立てるほど古いしきたりを重んじた結婚式であることから、当然格調高い式になります。かっちりした挙式を希望する方には大きいメリットですね。
また家柄を重んじる方には大切なポイントですが、両家の間で違うしきたりがあったり、考えが違う場合など、仲人が調整することで無駄な摩擦を避けることができます。家のしきたりを守るべき、というご両親をお持ちの場合には、仲人の存在がちょうどいいクッションとなってくれるはずです。もちろん、両家の間だけではなく夫婦間で意見が割れてしまったときなども相談役をお願いできます。
また結婚式が終わった後に関しても、何かあれば年長者としてアドバイスをもらったり、相談に乗ってもらったりとあらゆるシーンで頼れるのがうれしいですね。ネガティブな話にはなってしまいますが、「仲人をしてくれた方の顔をそう簡単には潰せない」という理由から、夫婦がケンカをしてしまうような場合であっても、深刻な事態に発展する前に精神的なブレーキになってくれる点も仲人を立てるメリットのひとつです。

仲人を立てるデメリット

結納や挙式、披露宴のときには仲人にもお礼や車代を準備する必要があるため、その分の費用はどうしても発生してしまいます。できるだけ節約して費用を抑えたい!という場合には痛い出費かもしれません。
また、結婚後もきちんとお付き合いを続けて礼儀を尽くさなければいけないのも、なかなかにわずらわしいもの。毎年お中元やお歳暮などを贈るのが一般的ですし、まめまめしい人付き合いが苦手…という方には大きな負担になってしまうかもしれませんね。

仲人はどんな人に依頼する?

仲人には特に資格が必要ということはありません。独身の人でも既婚者でも構いませんし、夫婦などの関係ではないふたりに頼むのももちろん問題ありません。
資格や既婚かどうかという要素よりも、大切なのは「自分たちも両家の家族もみんなが納得できるような人であるかどうか」ということです。社会的に信用があったり、周囲の人望が厚かったり、今後も長年付き合っていく人として安心できる方を選ぶのがいいですね。新郎新婦のことをよく知っていて、結婚後もいろいろな相談に乗ってくれる方がおすすめです。
また既婚の方であれば、夫婦円満に過ごすコツを聞けるようなあたたかな家庭を築いている人がベター。逆に、夫婦のことをあまり知らない人や体調不良や仕事が多忙など、相談を持ちかけにくい方は避けましょう。

具体的な例を挙げると、ふたりの職場の上司や先輩、学生の頃の恩師、ふたりとも親しい先輩や親戚、親の知り合いなど、自分たちよりも年長の夫婦に依頼するケースが多いです。たとえばふたりが知り合うきっかけになった人や、自分たちにとって理想や目標となるような素敵なご夫婦など、候補となる人をそれぞれに取り上げてよく話し合ってみましょう。今後いろいろと相談する可能性があることをふまえれば、夫婦としての理想や憧れになるような方々に依頼できるのが一番です。

仲人へのお礼は何をすべき?

仲人の仕事は、挙式当日に限ったとしてもとても大変なもの。こちらの都合で依頼するのですから、お礼もきちんと用意しなければいけません。
仲人をお願いした方には、結婚式の後、謝礼をお渡しするのが一般的です。挙式を済ませた後、一両日中に、新郎新婦の両親が謝礼を持って仲人のところへ行くという形が基本。謝礼は金銀の水引の祝儀袋に鮑結びまたは結切り、「御礼」や「寿」などの表書きで用意します。
金額としては、10万円から25万円ほどが目安とされています。また、結納にも立ち会ってもらった場合には結納金の15%、挙式当日の仕事だけを依頼した場合には結納金の10%程度という目安もあります。
ただ、地域や家系などのしきたりによって具体的な金額には大きな差があります。実際の金額については両家できちんと話し合って決めるようにしましょう。

結婚式を挙げてすぐのお礼だけではなく、結婚後も仲人とは礼儀を尽くした付き合いが続きます。とはいえ現在は長年贈答品を贈り続けるような付き合いを続けるのは双方にとって負担とされることが多く、3年から5年程度を目安に密な付き合いには区切りをつける、というパターンが多いようです。

今はカジュアルな結婚式を挙げるカップルが多く、仲人をお願いすることも減ってきました。とはいえ、仲人が結婚をする上で大事な役割を果たすのは今も昔も変わりません。まずは仲人の持つ意味や役割を知り、その上で仲人を立てるかどうか考えてみてくださいね。

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